わたしのたわごと

教育映画というジャンルがある。今やほとんど死語にちかくなっているが、昔は視聴覚の時間というものがあり、そこでよく見せられた。私が学校を出て、映像の会社に就職した時、それが教育映画を制作する会社だった。それ以来、長年、その制作に携わっている。 このジャンルの作品は、一般の人たちが触れることはほとんどない。劇場やテレビで流されることは少ない。でも、私は社会的に重要なジャンルだと思っている。 医療というものは、大変専門性の高いものだ。その専門性のゆえに社会に対して影響力もあるし、作品もその時の社会のあり方から大きな影響を受ける。つまり社会との関係を抜きには考えられない。医療、特に精神科医療を主な表現ジャンルに選んだのは、そうした社会とのつながりの大きさに興味があったからだ、と今になると思う。 自分が作った作品が、世の中の役に立っている、と思えたら、すばらしい。

(株)中島映像教材出版 代表取締役 中島太一