|
|||||||||||||||||||||||
これから実習や現場で学んでいく皆さんへ
皆さんは「障害」(障がい)というとどんなことを想像するでしょうか?
車椅子に乗った人や病気や怪我で動けない人など、身体的な「障害者」(障がいを持つ人)を思い出す人が多いのではないでしょうか。しかし「こころ」や「精神機能」に「障害」(障がい)を持つ人々もいるのです。また「障害者」(障がいを持つ人)=「障害」(障がい)ではありません。
「障がい」というものを理解するのに2つの点が重要だと考えられます。
一つは、「障がい」は、社会的に作られていくものであるということです。「障がい」は、社会からの悪いイメージを与えられ、あらゆる場面で「規制」され、「制限」を余儀なくされてきました。しかし現在では、当事者を中心とした運動が社会に変化をもたらしています。身近な例では「害」を「障がい」もしくは「障碍」と記述しようとする運動です。これは「害」という悪しきイメージを払拭しようとするものです。さらに、二つ目は、従来「障害」(障がい)は悪しき物・消去しなければならないもので「治療」の対象とされてきましたが、近年ではその人の中に存在する「属性」や「個性」であるという理解が進んできました。
これから当事者たちと出会う皆さんは、単に「障害」(障がい)を補完・補助するのではなく、あくまでも「その人」を支援するということが重要です。このビデオでは、1時間で「生きづらさを持った人々」に触れる入門編的な内容になっており「エンパワーメント」「リカバリー」などを実際の当事者たちの活動やコメントからも学ぶことができます。それは単に「援助技法を学ぶ」ことに留まりません。「人生について」学ぶことをも含む、幅広い「学び」を経験するでしょう。
「障害を学ぶ」をご覧になった
福祉を学んでいる学生のみなさんからコメントをお寄せいただきました
- 私にも共感できる「生きづらさ」がありました。このビデオは、障害とは何か、生きづらさとは何かを、福祉を勉強している人もそうでない人も、理解できるきっかけになるのではないかと感じました。
- ”障害をもった自分”が”本当の自分”なのだから、隠すのではなく自分自身がそれを認めなければ生きられない。そしてそれを表現していく。彼らにしか出来ない表現をすることによって世の中に貢献し、周りにも認められていく。この流れが凄く良い循環になっていると感じました。
- 障害者が持つ悩みや苦しみは、障害者同士にしか分からないのではないかと思っていました。しかし、障害者の持つ「生きづらさ」は私自身ももっているものなんだと気づきました。「笑い」を通して共感し合えることは今までに経験したことがなく、新鮮でした。
- 「障害とは何だろう?」とは福祉の勉強をはじめてからずっと、自分の課題でもあります。ビデオの中でもありましたが、「生活のしづらさ」と「生きづらさ」の違い。「不幸ととらえるのか」それとも「不便ととらえるのか」。人それぞれの考え方によっても異なってくるものだと思いますが、その「障害」を表現することで、他の誰かにメッセージとして伝えていらっしゃる皆さんに拍手です。
監修・出演=斎藤敏靖(東京国際大学准教授)
制作・著作=星屑倶楽部(中島映像教材出版 製作・出版部)
※各監修者の所属・肩書き等の表記は、製作当時のものです。